| (やや緊張した顔でマイクに向かい、声を大きくして送辞を読み上げる)
お姉さま方、ご卒業、おめでとうございます。
こんなに早く、お姉さま方の卒業式が訪れるなんて、信じられないような気持ちと、たとえようもない寂しさがこみ上げて来ます。 最上級生として、この一年、私たちをリードして下さったお姉さま方への、感謝は言い尽くせるものではありません。 お姉さま方は、委員会、部活、寮対抗戦、そして姉妹として、私たちを導いて下さり、模範として素晴らしい姿を見せて下さいました。時に優しく、時に厳しく、心強く励まして下さったことを、決して忘れることはありません。 そんな素晴らしい日々が懐かしく思い出され、感謝の気持ちと、お姉さま方を今日、この日を以てお見送りする寂しさが交錯し、胸がいっぱいです。 今、お姉さま方は、胸に夢と希望を抱いて羽ばたこうとしていらっしゃることと思います。どうか、その夢と希望を忘れることなく、そして深葉女学院高等部で学んだことを礎にして、新たな世界でご活躍下さい。この深葉女学院高等部で過ごされた三年間は、必ず、お姉さま方のお力になると信じております。 私たち在校生も、お姉さま方が築かれた伝統と品格を絶やすことなく守り受け継ぎ、悔いのない高等部生活を送ることを誓って、一層努力していきます。 卒業後も、学院祭などの折に触れ、また深葉女学院高等部を訪ねて、元気なお姿を見せて下さい。そして、私たちをまた励まして下さい。今より、成長した姿をお見せできるとお約束し、心からお待ちしております。 お姉さま方が健やかに活躍していくことを心からお祈りし、送辞とさせていただきます。
全てのお姉さまへ、全ての妹より、ご卒業、おめでとうございます。 お元気で、ごきげんよう。
(詰まることなく読み終えた後、最後にハンカチで目頭をおさえる。 涙がおさまれば、一礼して、マイクの前から在校生席へと戻っていく)
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