| ――改めて問われて思い起こせば。 姉妹という絆に憧憬の念を感じ、その言葉が輝かしくも空の月のようにどこか遠いところにあった嘗ての日がとても懐かしく感じるものです。 姉妹に何を求めるか…といったような事を聞かれたことがありましたっけ。 私が一年生の折、ちょうど今の時期の催しでしたね。 御卒業されたお姉さま方や悠生とご一緒させて頂いた折に
『巡る季節と二人の時間を重ねて、共に未来まで歩んで下さい』
といったような事を答えたと記憶しておりますが。 あの頃の直截な心持ちは、やはり今になっても全く変わらなかった模様でしてね。
…どうにも私自身の人間性が大きく3年間で成長しなかった、というよりは。 (いやそれも否定できないんだけれども) 人の望みとは、存外に根深いところにあるのだろうな――と感じ入る次第。
さて、私の妹君にとっての『姉妹』の形は如何様でしょうか。 溢れるばかりの思い出を胸に貴女が卒業する頃には、今この時よりもお互いの姉妹の形が変化しているかも知れませんね。 変わるものと、変わらぬものとを抱えて歩んでいければ幸いです。
未来でもういちど、答え合わせを致しましょう。 そしてまた、その時にも。 変わらず笑って過ごしている事を信じています。
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